科学班の元に行くと、すぐに気付いた班長が振り返った。隣に立つ室長も同じように顔を向け、薄い笑みを乗せた唇で会釈をする。
 班長は一歩下がり、二人が話す為の空間を提供する。その間も近くで何か質問やら指示やらを待つ部下に、全て即答で答えるのだから、室長だけでなくこの班長も相当優秀な部類の人間だろう。
 教団はいい人材の宝庫だ。そして、人としての質の良さも随分と向上した。その点においては、現室長の人柄と方針が何よりも多大な影響を及ぼした筈だ。………彼がまだ班長であった頃、おそらくはその手をどれ程汚したか、考えるべきではないだろうと、今もまだその事に関しては記録は行なっていない。
 事実を記録する事は、何も個々の傷を記録する事ではない。必要な部分に必要なだけの情報。それさえあればいい。ならば、痛みを増やす事は無為な真似だ。
 室長は幾枚か手にしていた資料を机に置き、軽く息を吐いたこれから過酷さを増すだろう状況に覚悟を決めるように唇を引き締めると、再び老人に目を向け、笑んだ。
 「わざわざすみません、ブックマン」
 「気にする事はない。こちらが本業だ」
 変わらないやりとりを繰り返し、互いに小さく笑った。そうして、改めて本題に入る。………手に入れたものは大収穫というに相応しいものだけれど、それ故に問題点は多々ある。
 それらを過去の情報と照らし合わせ、解明していく。特に……奏者と言われるこの方舟を操る者の事実関係を。
 互いに解っている共通項を確認するまでもない。その事が、何よりも重要だった。………この事実が、あの少年をまた追い詰める現実を生むのではないか、と。
 口にする事はなくてもひしひしと、誰もが感じていた。
 ………………出来る事なら、回避したい。そう祈りながら。


 一通りの記述を語り終えた老人が茶を口にすると、それを横目で見ていた班長が、ふと思い出したように声を掛けた。
 「そういえばブックマン……ラビ、どうかしたんですかね?」
 疑惑を持つというよりは不思議そうな顔で首を傾げる班長は、先日室長に話した『ラビ』と『ディック』の話は聞いていない。それを目線だけで確認し合った二人は、班長が何に対してそれを言っているのか掴みかねた。
 ヘタを突つくよりはと、ブックマンは常の無表情のまま茶を啜り、軽く首を捻った。
 「あの未熟者なら、今頃はアレンの部屋にいると思うが…何かあったかのう」
 調度アフタヌーンティーを誘われたのだと、かいつまんだ経緯を教えると、室長はひどく微笑ましそうに笑んだ後に、羨ましいと拗ねた子供のような顔で言った。きっと、彼も自分の妹と一緒にそれに参加したかった事だろう。
 とはいえ、その当の妹自身が静養中で、あまり足を使ってはいけない状況なのだから、たとえ誘われても参加は難しかったのかもしれないけれど。
 そんな室長が息抜きの我が侭を言い出す前に、班長はやってもらわなければ困る書類の山を押し付け、現実逃避を阻止しようとした。その最中、班長は安心したような顔を老人に向け、気のせいだったかも知れないと眉を垂らした。
 「いえ、朝ちょっと二人を見かけたんっスけど、なんか……アレンが泣きそうだな〜と思って。でも、ラビのヤツなんもしてないし、喧嘩中かな、と」
 余計なお世話だったかなと笑う班長は、ホッとしたようで嬉しそうだった。
 彼もきっと、憂いている。抱えなければいけない重い荷物を、何故か歳若い子供達ばかりが背負っているのだ。
 …………己の探究心を満たす為にこの教団に赴いた者に比べ、エクソシストは強制的な収容が主だ。当人の意志など無関係で、イノセンスに選ばれれば、それはそのまま供物となる事を意味する。
 そのエクソシストは、現在は数も減ったとはいえ………十代の若者が多く含まれるのが実情だ。
 親元で甘やかされて生きられる年齢だ。自分の将来に夢を抱き、その為に自分の時間を使い未来を模索する為の歩みを始める年代だ。
 その全てを一瞬で奪われ、そうしてここに住む事を強制されたその痛ましさを、壊れかけた少女によって教えられたのは、そう古い記憶でもない。解っているからこそ、班長は室長同様、歳若いエクソシスト達の事は目にかけていた。
 特に、何もかもから一歩離れる事に慣れてしまっている、その特異な生い立ち故の諦観で捧げる事ばかりに心がゆき、自身を顧みる事が下手な最年少のエクソシストは、漸く子供らしい笑みと言葉を零すようになっただけに、それが翳らないようにと忙しい最中も意識していたらしい。
 そうしておそらく、今朝の二人を見たのだろう。自分でも溜め息を吐いてやりたい程、今までと距離感が違う弟子と、それに対して悲しげな少年。
 ギクシャクしている訳ではないのに、それでも何か少年の反応が沈んで見える。それは多分、彼自身の笑顔を手に入れたからこそ浮き立つ、仮初めの笑みのぎこちなさ。
 それをもしも今までの青年が目の前で見たなら、きっとからかって悪ふざけを仕掛けて……そうして、ちゃんと彼が笑えるように、甘やかした事だろう。
 けれどそんな気配もないまま、何も気付かないかのような顔で少年と接している事は、奇妙だ。
 誰だって……少なくともこの二人の事をよく知る者であれば、一瞬首を捻る光景だっただろう。
 それに気付かない青年は、やはりここで過ごした時間を知らない事が顕著だ。記録だけが全てではないなど、きっとあの青年は知らない。………知るだけの経験を蓄積出来なかったのは、あるいは師である己の不手際だったのかもしれないと、胸中で老人は嘆息した。
 「茶に誘われた後でしたからな、そこで話した方がいいと思ったのかもしれん。あれでなかなか、アレンは頑固者だ」
 「ハハッ、確かに。物腰柔らかに見せて、多分アイツ、教団内でも上位の頑固者で無鉄砲ですね」
 ニッと楽しげに班長は笑い、この老人がそう判断するならば、彼らの事は任せてもいいだろうと頷くと、たった今老人から得た記述を分析する為に部屋を去っていった。
 その後ろ姿を頼もしそうに眺めていた室長は、彼がドアを閉めると吹き出すように笑い、片目を瞑って茶目っ気たっぷりに老人に首を傾げた。
 「やっぱり、バレていますね?」
 「元より騙しおうせるとも思ってはいなんだが………一瞬で看破されたわ」
 これ見よがしな溜め息を吐き出し、老人が告げれば、さもありなんという顔で頷き、室長はひどく嬉しそうに満足した笑みで老人を見ている。
 その意味が解らなくもない老人は、けれどそれが果たしてこの先、本当にプラスとなるかどうかだけは見極めがつかず、彼と同じように笑んでばかりはいられなかった。
 老い先短いなど、言う程殊勝ではないし、そう容易く死ねる程、脆くも無い身体だ。
 だからこそ、その可能な時間の中で、最良のモノを与え遺していきたいと思うのは、決して弟子を甘やかす為ではなく、あの不出来な弟子にはそれくらいの事をしなければ、脈々と続いたこの血筋を途絶えさせかねないからだ。
 才能はきちんと持ち合わせているというのに、時を重ね人と交われば交わる程、顕著となったのはその心の不安定さばかりだ。それらを覆い隠し笑むだけの強靭な精神力は持っていながら、その殻の内側は脆く柔らか過ぎる。
 もっと強固に、けれどしなやかに柔軟に、その心こそが育たなければ、独りこの世界を旅する時間は乗り越えられないだろう。
 ……………独りに、なる事はあるのだ。どれ程望み、願い、手を伸ばしても、同じ事を願い歩みを共にする者が現れても。
 その時にそれを乗り越えまた進む、その力を養わなければ、共に歩んだ者の嘆きすら報われなくなる。
 それをまだまだあの未熟者は知り得ず、それ故に、今もまだ伸ばすべき手を躊躇い、現状を打破する術を持ち得ない。
 「………その後、問題は発生していませんか?」
 「問題という程の事は何もないのう。大体カラクリは見えておるが……まあ、おそらく、そちらの方も、小僧が先に気付くだろう」
 「おやおや、先輩だって言うのに、ラビは形無しじゃないですか」
 「あの未熟者が、小僧に敵う筈がないわい」
 そんな事は周知の事実だと、そう言わんばかりの溜め息付きの言葉に、室長はもっともだと笑った。
 そうして、時計を確認すると、思いの外時間を取ってしまった事に気付いた。きっと待っているだろう少年の為に、この飄々とした老人をもう開放するべきだろう。
 「大分手を煩わせてしまいましたね。取り合えず、今はこれくらいで平気かと思いますから、アレンくんの所に行ってあげて下さい」
 「ついでに、うちの未熟者を預からんか」
 その方がいい休憩になりそうだと、自身の弟子に皮肉に言う老人に苦笑して、室長は大袈裟に首を振り、ついでに手までブレる程振りながら、叫ぶ声で答えた。
 「まさか!そんな事したら、こっちが心労で倒れますよ」
 「敬老精神が薄いのう。やれやれ、小僧の茶でも飲んで、馬鹿弟子を調教でもするか」
 言われずとも解っていただろう解答には、すぐに返される返答。それはどちらもが笑みに濡れていて、結局互いにあの子供達を慈しんでいる事を知ってしまう因になるだけだ。
 それを眺めながら、室長はドアをくぐる小さな老人の背中を見送った。


 目を瞬かせて、周囲を探るように視線を走らせる。それは一瞬だけ。
 そうして目の前の少年だけがいる事を知り、現状をどう解釈しようかと頭を働かせると……………また、唐突に浮かんでくる脳裏の情景に、青年はお菓子を避けて机に突っ伏した。
 失態だ、というべきかすら解らない。なにせ、自分の発言は何も嘘を吐いていないのだから。
 ………そして、そうだと知っているからこそ、少年は悲しそうだったのではないか。
 言い訳も出来ない。まさに身から出た錆だが、毎回毎回、何も最悪の状態を人に押し付けるようにして消えなくてもいいのではないかと、自分自身でありながらも少しだけ意識の違う『ディック』に悪態を吐きたくなる。
 あれはきっと痛かった。同じ顔で、同じ声で、まるで今まで全部が嘘だったというように、あんな事を言われて、この少年が傷付かない筈がない。
 「ディック?どうかしましたか?」
 そうだというのに、彼はいつもと変わらず、自身の傷よりも先に、相手を気遣うのだ。自分は痛みには慣れているからいいのだと、傷の痛みを知っているからこそ、彼は人の痛みをなくしたがる。
 それはつまり、幾度繰り返そうと、痛みは常に痛みであって、消える事がないと、彼自身が知っているからではないか。
 だからこそ、痛みなど知らないでいいように、優しく守れるように、努力しているというのに。
 「…………………最悪…ディックのヤツ……………」
 ぼそりと呟いた青年の低い声に、少年はきょとんと目を丸める。
 その声は、先程と同じ音だ。けれど、響きがなんとなく、違う。それは机に突っ伏しているからかどうか、そこまでは判断が出来なくて、少年は躊躇いがちに手を伸ばすと、動かない青年の頭を撫でるように髪を梳いた。
 「………ディック?それとも……ラビ?」
 問う声が、小さくて少し掠れている。もしかしたら震えるのを我慢しているからかも知れない。そう、思い。
 慌てて青年は顔を上げ、少年の表情を見極めるように目を向けた。
 見上げた先には気遣わしげに見下ろす、優しい銀灰色。柔らかく照らしてくれる月明かりは、微かに揺れて何かを探している。
 それがなんであるかを知って、青年は嬉しそうに目を細めて笑んだ。まだ自分の頭に乗せられたままだった少年の手のひらが、その笑みに触れて微かに跳ねる。
 パチリと、一度大きく少年の睫毛が上下に揺れる。それから、ホッとしたようにその手から力が抜けて離れていこうとした。
 「ごめんな、アレン。なんかまた……ヤな事、言ったろ、俺」
 抜けた力のまま落ちていく筈の手のひらを捉え、青年はそれに縋るようにぎゅっと握り締める。
 嫌な事を…知らないまま、傷の意味も解らずに言った。それは少し自分とは違うけれど、確かにこの唇が告げた、自分が彼と出会わなければ今もきっと言っただろう、言葉だ。
 「たいした事は言われていませんよ?それより、お茶しましょうよ。きっとブックマンもそろそろ戻って来ますから!」
 やっと会えた、会えないままになるかもしれなかった人に、安心したように笑った少年は嬉しそうにそんな事を言う。
 何もかも、きっと彼はたいした事はないと笑うのだろう。傷を与えても、それを痛んでくれたと、そんな馬鹿な事を喜んで。
 それはきっとそうしなければ生きられなかった、そんな不具合なのだろうけれど。確かにそこに彼の優しさと慈しみがあるのだから、突っぱねて自身を断罪する事も出来ない。
 …………いっそひと思いに斬りつけられて殺された方が楽かも知れない。
 それでもこの甘い少年はそんな真似はしないで、痛みを思うなら生きて笑顔を捧げればいいと、導くのだ。
 それはどこか背に羽を背負う者の持つ、清冽だからこその残酷さかもしれない。汚濁の中で生きる事を知る人間には、過ぎた清らかさだ。
 それでもその清艶を渇望するのだから愚かしい。……そう、思いながら。
 青年は少年の細い手のひらを包んだまま、嬉しそうに笑んで、彼が望む自分の笑みと声を、差し出した。
 「ん、じゃあアレン、紅茶頂戴?」
 「はい喜んで♪」
 にっこりと、望んだ通りの柔らかな笑みが零されて、それだけで全てが救われる気がしてしまうのだから、末期だ。………これが手に入らない事に苛立ちを覚えた『ディック』は、あるいは自分とやはり同じなのかも知れない。
 そっと彼が指先を揺らし、給仕の為に手を開放される事を求めている事に気付くと、名残惜しそうに少しだけ強めた手のひらの力に気付かれるより早く、そっと手を離した。
 楽しげな、鼻歌でも聞こえてきそうな少年の気配に苦笑が漏れる。
 先程まで、悲しそうだったのに。それが自分を苛立たせていた事も、多分、彼は解っているけれど、理解してはいない。彼は自身を過小評価する癖があって、周囲がどれ程彼を愛しんでいるか、どうしても理解出来ないのだ。………愛される事に、あるいは、怯えがあるのかもしれないけれど。
 そんな事を知りはしない『ディック』は、あの頃の無機質さを少しだけ剥がして、得られない事に苛立った。与えられる『ラビ』を、多分、あれは………憎しみに近い嫉妬でもって、睨みつけていた。
 感情が激し易いのはお互い様だ。同じ人間なのだから当然だろう。
 それでもきっと、この少年が言ったように、今『ディック』が時間経過を得たとしても、今の『ラビ』にはなり得ない。
 あるいは……初めから掛け替えのないものを傍に置いている彼の方が、よりよく成長するのかもしれないし、逆にそれを得る事に躍起になって堕落するのかもしれない。
 どう転ぶかはまるで解らない。結局はきっと、人の成長は賭けに似ているのだ。何を与えどう変化するか、それはその時々で全て違う結果に繋がる。同じ素材でも、そうだろう。
 そんな埒も明かない事を考える忙しない思考の目の前に、柔らかな香りが広がった。
 琥珀の液体が満たされたカップからは、甘みを讃えた紅茶の香り。
 英国人である少年は、紅茶の煎れ方が上手い。………とはいえ、それを褒めた時、紅茶の煎れ方を覚えたのは師との旅の最中で、煎れ方を間違うと容赦ない制裁が加えられて必死に覚えたと、抜け殻のような様子で語っていたけれど。
 それでも彼は、必死に喜ぶ顔を見る為に努力したのだろう。反抗する事よりも従順に、彼は笑顔を見る為の努力を選んでしまう人間だから。
 「ジェリーさんから、ダージリンのオータムナルを分けていただいたんです。味が他の季節に比べて濃いですから、ミルクティーにも合いますよ。試してみますか?」
 「アレン楽しそうさ〜」
 誰かの為に何かをする事が好きなのは、この少年にしろ、兄である室長に付いて常に科学班に奉仕している少女にしろ、同じものが源だろう。
 自分に差し出される全てのものに、感謝を。
 ……………それはきっと、自分にも『ディック』にも解り得ない感情だ。だからこそ、自分達には彼らはひどく眩い、尊いものに見える。
 「そう、ですか?ああ、でも、うん、そうかも。………なんだか、ディックには申し訳ないんですけど、ディックを見ていると、どうしてもラビに会いたくなるんです」
 困ったような顔は、どことなく物悲しい笑みだ。多分、その発言が自分を傷つけると思っているのだろう。
 ………むしろその言葉は、自分こそを選んでくれているという自惚れで、この心に歓喜を与えるというのに。
 「それでディックが怒っているのも、解るんですけど。難しいですね、同じじゃないから、どうしても身体の方が先に反応してしまうみたいです」
 双子ですらないのに。それでも違う事が解ってしまうから、彼ではなく、もう一人の意識を探してしまう。いないからこそ、余計に切実に。
 …………どうしても、『ディック』がいる状況は、あの方舟での青年との対峙を思い出して、辛い。あの時の痛みが今もどこかで軋んでいるように、なかなか心の強張りは消えてくれない。
 「アレンは、自由に選んでいいんさ。別に昔の俺だからって遠慮はいらんさ?嫌なら嫌って、殴っとけばいいさ」
 少年の困ったようなその顔の痛みに勘づいて、青年は戯けた声で首を傾げてみせる。
 彼は優しくて、傷つけるくらいなら傷を負う悪癖がある事は、誰もが熟知している。だからこそ、先回りしてしまう。
 それはそのまま、その心地よさに自分に頼って甘えて寄りかかったまま居てくれればいいと、祈ってしまいそうな浅ましさだけれど。傷など知らずに笑んで欲しいと願う気持ちは、本当だ。
 「それ、本当にやったら、痛い思いするのはラビですけど?」
 そうして、そんな物思いなど知らない少年は、くすくすと楽しげに笑って、青年と同じ紅茶を口に含む。
 ふうわりと漂う紅茶の優しい香り。それを含む小さな唇が、柔らかな笑みを彩っている。
 それを眺めながら、青年は戯けたままの声で前言撤回をしながら、それでも本当に彼の自由を願って、彼と同じ紅茶を喉に流した。
 濃く重く流れる筈のしっかりしたフレーバーは、けれど甘く軽やかに優しく感じられて。
 …………どこまでもこの少年の存在で自分の知覚は左右されると、苦笑した。







   

 コロコロと『ラビ』と『ディック』は変わりますよ。このあとブックマンが来たら、多分盛大な溜め息を吐き出す事だと思います。ラビに戻っているという事は、何が起きたか予想出来るから(笑)
 そしてアレンは、どうしてもディックに対して強張る部分が残っているのに戸惑ったり。気にしていないつもりでも、それでもやっぱり傷は見なかった振りをしなかったからって癒えるものではないからね。
 向き合えるなら向き合って、ちゃんと手当てしないと駄目なのです。出来るといいな、頑張れラビ。いやディック?

10.10.6